開発を世界的にリードする、ドコモの技術

— 「LTE D2D」の今後の開発のロードマップや、具体的なマイルストーン、
これからの取組みについて教えてください。

発端としては、9.11のテロ事件を受けて、LTEを使った警察無線のような技術を国際標準仕様として検討してほしいという要望があがったこと。そこで、3GPP国際標準化プロジェクト最大グループ(TSG-RAN WG1)で検討を開始しました。
その後、韓国もフェリー転覆の事故などがあり、技術開発に積極的に関与しています。この技術は平時の際は「近くにいる端末とつながる」という仕組みを利用したビジネス展開も可能なため、韓国では平昌オリンピックの前までにこの技術を実用化しようと動いていると聞いています。
日本も韓国やアメリカ、ヨーロッパと歩調をあわせる場合は、まずは実証実験を行った後、実用化するという流れになると思います。

— 各国でそれぞれに技術開発が進んでいるかと思うのですが、
この領域でのドコモの技術的優位性について教えてください。

つながる仕組みづくりという点では、国際標準仕様を策定する場である、3GPP国際標準化プロジェクトにおいて議長を務めたり、さまざまな技術の取りまとめを行うなど、ドコモは世界的な技術貢献度は高いといえます。
たとえば、LTEにおける緊急地震速報など災害時における携帯電話を使った通知の仕組みづくりは、ドコモから提言させていただいて、国際的な標準化にたどり着いたという経緯があります。日本という災害の経験を多く持っている国の技術者が標準化に貢献しているという意味で、世界的な流れをリードしていると思います。

pic-03

より高い安全・安心を築くためにも、
国や地方自治体の方々との連携を

国や地方自治体と連携し、商用利用も視野に入れた未来へ

— 2020年以降、より安全・安心への取組みの重要性が増してきます。
今後、実現したいポイントなどはありますでしょうか?

災害対策ということになるとドコモだけではどうにも立ち行かない部分があるので、次世代技術「LTE D2D」を導入してより高い安全・安心を築く必要性も含めて、国や地方自治体の方々と引き続き連携していければと考えています。また、LTE D2Dという技術は近距離で端末から端末へと情報を直接届けられる、近接情報を取得できるなどの特徴があるので、これらの特徴を利用した商用利用の開拓が進むことで、研究開発も成功するのではと考えています。

日本だけでなく世界のフィールドでリーダーシップを発揮する、ドコモの次世代技術開発。新しいテクノロジーが、ライフラインとしての人々の安心・安全を世界中に届けていく。LTE D2Dはそんな未来の防災の一つの形として、広く活用されることになるだろう。
過去の教訓と来るべき未来の災害の脅威に真摯に向き合い、万が一の時の「つながる」の確保のため、日々「備」→「備」→「動」→「省」のPDCAを回していくことによって、ドコモは日本の、世界の、安全に寄与すべく日々取組みをつづけている。

災害対策室のある社員が次のように語っている。

 “ドコモの災害対策の取組みに、ゴールはない。常に備え、それを進化させなくてはならない”

 それはつまり、ドコモに対するお客様の信頼・期待に常に応え続けなくてはならないという、強い意志の表れでもある。

写真=植村忠透 Tadayuki Uemura

文=雑司が谷千一 Senichi Zoshigaya