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次世代の通信技術である第 5 世代移動通信システム「5G」の実現に向けて、産学官の協調を呼びかけるべくドコモが立ち上げた国際イベント。2015 年 7 月、ドコモ主催のもと第 1 回イベントを NTT ドコモ R&D センタ(神奈川県横須賀市)で開催。その理念を受けた企業各社の賛同を得て、第 2 回となる「5G Tokyo Bay Summit 2016」が「ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2016(WTP2016)」内の専門イベントとして、2016 年 5 月 25 日~27 日にかけて東京ビッグサイトで開催された。

2020 年代の情報社会のカギをにぎる、次世代の移動通信システム「5G」。
“すべてがつながる未来”に向けて、企業や組織、国境を越えた地球規模の取組みを実現するために。
2020 年の 5G ローンチをめざして、ドコモが立ち上げた国際的なイベント「5G Tokyo Bay Summit 2016」の模様を、前編に続いてお届けする。
ドコモ担当者と各国のリーダーたちとのセッションから浮かび上がる、5G の実現に欠かせない世界的な協調体制。オープンな対話の場から見えてきた、5G が導く未来のビジョンとは?

“先頭集団”として、5G の実現をめざしていく

「5G Tokyo Bay Summit 2016」にて、日米韓の政府関係者や通信事業者の技術幹部を迎えて開催されたセミナー「グローバルリーダーズトーク ~5G ビジョンを語る~『5G Tokyo Bay Summit 2016』 日米韓における 5G 実現に向けた取組み」。
日本の総務省の渡辺克也 電波部長、アメリカ FCC(連邦通信委員会)の最高技術責任者ジュリアス・ナップ氏に続いて、ドコモから R&D イノベーション本部長の尾上誠蔵が登壇。5G にまつわる“神話”と呼ぶべき、さまざまな誤解をひも解きながら、今後の展望をこう語った。

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「ドコモは3Gを2001年に世界に先駆けて導入しましたが、世の中に広まる技術の互換性が高まる前であったため、世界標準との整合に後々苦労しました。必ずしも、世界初が良いわけではないのです。そのことをふまえつつ、私たちは先頭集団として各社と協調しながら、5G のローンチに向けた取り組みを進めていく必要があります。IoTや自動運転車をはじめ、5G は既存の通信業界などの分野を超えて、まったく新しいエコシステムを作り上げるはずです。ぜひ私たちの手で、5G の神話を払拭し、現実のものにしていきましょう」

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ドコモ 先進技術研究所 5G 推進室長の中村武宏の司会のもと、パネルディスカッションが開催された。

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業界を超えた連携から広がる、新たな展望

セミナーの最後に行われたパネルディスカッションでは、ドコモ 先進技術研究所 5G 推進室長の中村武宏の司会のもと、日米韓から 5 名のリーダーたちが登壇。各社による5G向け周波数の考え方をはじめ、自国の通信環境の現状について述べながら、現在、各国で挑戦している新しい取組み、通信業界以外の業界との連携について、積極的な議論が交わされた。
「世界で最も 5G の推進に力を入れている 3 カ国の方々が、こうして議論を交わすのはとても意義深いことです。我々が積極的なコラボレーションを行うことで、今後どのようなイニシアチブを取ることが可能になるでしょうか」という中村からの問いかけに、「我々フロントランナーが世界を牽引していく必要があります」(アメリカの通信事業者ベライゾン・コミュニケーションズのロジャー・グルナーニ氏)、「IoT など、新たに通信を必要とする分野と業界を超えた連携をしていきましょう」(韓国の通信事業者 KT コミュニケーションズのドンミュン・リー氏)と、力強い言葉が語られた。

“5G で、新たなコミュニケーション文化を創造したい”

パネルディスカッションの終了後、司会を務めた 5G 推進室長の中村は、「5G Tokyo Bay Summit 2016」の開催意義を改めてこう語った。
「東京オリンピック・パラリンピックが開催される 2020 年の先進的なコミュニケーション環境の実現に向けて、官民での連携や国内外の主要関係社、団体との密な協力に加え、他業界の関係者にも早期から 5G の性能をご理解いただき、協力してサービス開発をしていく必要があります。これらの状況を考慮して、5G の最新の開発状況を国内外に広く周知し、多くの方々に5G の性能を体感いただくために『5G Tokyo Bay Summit』を開催しました。
今回も非常に多くの方にご来場いただき、大きな関心を持っていただいたと確信しています。

また、展示・講演でご協力いただいた関係各社には非常に積極的かつ精力的にご対応いただき、大きく感謝するとともに、各社にとっても非常によいアピールの機会としていただけたのではないでしょうか」

また、5G が切り拓く未来の展望については、
「あらゆる人やモノを無線でつなげ、さらに高性能な移動通信環境を構築することで、新たなコミュニケーション文化を創造していきたい。あらゆるモノとつながることでいろいろな情報をリアルタイムで取得し、また遠隔制御できるようにすることで、多くの新たなサービスを生み出すことができます。また、高速大容量化によって、より高精細な静止画や動画を利用したサービスを提供することもできます。視覚、聴覚に加えて、触覚も通信できる時代が来るでしょう。日本の少子高齢化や過疎化のような重大な問題に対しても、通信の高度化によって解決できる可能性は少なくありません。引き続き5Gの実現に向けて、多くの人々に大きなワクワク感を体験していただける場を提供していきたいと思います」

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パネルディスカッションの参加メンバーによる集合写真。
左から:中沢淳一氏(総務省 総合通信基盤局 電波部 移動通信課長)
ドンミュン・リー氏(韓国/KT コーポレーション CTO)
ジュリアス・ナップ氏(アメリカ/FCC 最高技術責任者)
尾上誠蔵(NTT ドコモ CTO)
ロジャー・グルナーニ氏(アメリカ/ベライゾン・コミュニケーションズ CTO)
中村武宏(NTT ドコモ 5G推進室長)

2020 年の実現を目指す、壮大な取組み

また、東京ビッグサイトの大ホールでは、ドコモをはじめ、昨年の第 1 回開催の理念に賛同した国内外の通信事業者や通信メーカーによる 5G の最新研究成果や、利活用に関する提案などが展示された。
ドコモは、開幕のわずか 1 週間ほど前に世界で初めて成功したリアルタイム8K映像の 5G 無線伝送技術をブースで実施したほか、各社と連携して開発に取り組んでいる 5G の最先端技術の数々を公開。
5G の実現に力を注ぐ日米韓のリーダーたちによるセミナーと、最新技術やサービス提案のパビリオン展示を通して、来たるべき 5G 時代のビジョンを描き出した「5G Tokyo Bay Summit 2016」。ライフスタイルや医療やエネルギーのインフラ、社会のあり方をも大きく変えていく次世代の移動通信システム 5G を通して、これまで以上に安全・安心で豊かな世の中を切り拓くために。2020 年に向けて、ドコモは世界各国の企業や組織との連携を深めながら、この壮大な取組みを続けていく。

写真=植村忠透  Photos : Tadayuki Uemura
文=深沢慶太  Text : Keita Fukasawa

 

<参考情報>
ドコモ公式サイト/5G(次世代移動通信システム)
ドコモ公式サイト/R&D Open House 2015(PDF)
ドコモ公式サイト/5G Tokyo Bay Summit 2016 について  
WTP2016 サイト/5G Tokyo Bay Summit 2016 について
・WTP2016 サイト/5G サミット関連セミナー
https://www.wt-park.com/seminar_program.html#seminar_program_f
https://www.wt-park.com/seminar_program.html#seminar_program_g