メディアとエンターテインメントの先端に触れる

メディアとエンターテインメント等の表現をテーマにした「Inter BEE 2017」で、今年フォーカスが当てられたのは「Show Biz」「Music」「Sports」の3つのテーマだ。

これらのエンターテインメント領域には、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、ホログラム映像、ライブビューイング、ロボティクス、映像表現技術へのAIの導入など、様々なテクノロジーが続々と投下されている。

なかでも注目なのが、16日に実施された「INTER BEE IGNITION NIGHT」だ。エンターテインメントとテクノロジーが交差するイベント内の企画にて、新たな可能性を感じさせる取り組みが実施された。最新の映像技術とスマートフォンを使った新しい音楽ライブ体験ができる「新体感ライブビューイング」だ。

本取組は、株式会社NTTドコモがイベント企画、タワーレコード株式会社がアーティストおよび会場コーディネート、株式会社NTTぷららがライブおよびライブビューイングの演出・各種システム制作を担当した。

「インタラクティブ体験の実現」を目指した新体感ライブビューイング

「新体感ライブビューイング」は、ドコモが2020年に向けて掲げる中期戦略「beyond宣言」のスタイル革新宣言に該当する取り組みだ。

ドコモは5Gの特徴と、VRやAI、IoTなどの技術を活用した「体感革新」「ライフスタイル革新」「ワークスタイル革新」の実現を目指しており、「体感革新」におけるチャレンジの一つが「新エンタメ体験」である。

image5

今回の「Inter BEE 2017」内でのパフォーマンスのテーマは『一体感』。「参加性」が付与されたパフォーマンスが実施された。離れた場所からでも「参加」できるライブビューイングとは、どのようなものなのだろうか。

離れた空間からライブパフォーマンスに参加するという楽しみ方

ライブビューイングでは、同じ時刻にタワーレコード渋谷店のライブ会場「CUTUP STUDIO」で行われた音楽バンド「エドガー・サリヴァン」の演奏がイベント会場に配信された。

INTER BEE_スライド

一曲目は通常のライブと同様に配信され、二曲目から新体感の幕が開けた。会場内に配置された透過スクリーン上やタブレット、事前に共有されたURLにアクセスしたスマホ画面上にもアーティストたちの映像が出現。ライブビューイング会場の様々な画面上で演奏が行われることになった。

image6

ずっとメインスクリーンを見ているわけではなく、視線が透過スクリーンやタブレット、手元のスマホへとあちこちへと散るという体験が面白い。

最後の一曲に移る前に、新技術についてのアナウンスがあると、ライブビューイング会場に詰めかけた人々は、離れた場所で行われているライブに「参加」する方法を聞き、最後のパフォーマンスの時間へと突入した。

来場者たちがスマホからサイトにアクセスすると、白い折り紙のような画像が表示される。画像を指でなぞって切り抜いた後にメッセージを選択し、切り抜きとメッセージを合わせると絵が完成。画面をスワイプすることで絵を送信し、スクリーンへと投影できる仕組みになっている。

メインスクリーン上に様々なメッセージが込められた雪の結晶が降り注ぎ、アーティストとぶつかることで反応を生み出す。別の場所で行われているアクション同士が、画面の中で融合していた。

image2

一体感をテーマにしたという今回の新体感ライブビューイングは、離れた場所での新たなライブの楽しみ方を提示した。広いライブ会場内で後方に位置することになったファンもこうした技術があることで、より能動的にライブを楽しむことができそうだ。

パフォーマンス外の時間も含め、体験をアップデートする

パフォーマンスが行われたステージ近くのブースでは、ARを活用したミニチュア3Dライブの説明も行われていた。ARマーカーにスマホをかざすと、バーチャルCGのミニチュアアーティストが出現。マーカーごとに1人のメンバーの映像と音がプログラムされており、3つのマーカーを組み合わせることで3人の演奏をARで楽しむことができた。

ARを活用したミニチュア3Dライブは、様々な可能性がある。好きなメンバーのマーカーをコレクションすることもできるし、推しメンのARマーカーを持ち寄ってARライブを行うこともできる。

ライブイベントに参加した人がお土産として購入し、デスクの上に置いておくことで好きなタイミングでデスクトップライブを楽しむことも可能になる。ARマーカーはライブ体験に新たな拡張をもたらすだろう。

テクノロジーが進歩することで、変わるライブ体験はパフォーマンス内の演出だけには留まらない。周辺のグッズ等も含めて、そのあり方は変化していく。

技術との融合が進むことで慣れ親しんだエンターテインメント体験もアップデートが進んでいく。近い将来、よりインタラクティブ性があり、より参加型でエンターテインメントに触れることができるようになっているはずだ。

Text : Junya Mori

Photograph:有限会社アートビデオ企画