近未来のプロジェクションマッピングを体感

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プロジェクターを用いて、建物などに映像を映し出すプロジェクションマッピングに、5Gや人流解析技術などの新技術が組み合わさることで、近未来を感じさせるイベントとなった。

初めて、実験が行われたのは10月28日。台風が近づき、冷たい風が吹き、段々と雨脚が強まる中での投影となった。あいにくの天候であるにも関わらず、NTTドコモ 代々木ビルを望む新宿駅近くの場所には、プロジェクションマッピングの開始を待つ人々が集まっていた。

ブースにいる選手とスマホからの応援メッセージがリアルタイムに投影

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手持ちのスマートフォンから「YOYOGI CANDLE 2020」の特設サイトにアクセスすると、プロジェクションマッピングの開始と同時に、音楽が流れ始めた。タイムラグもなく、映像と音が連動する。

手元のスマートフォンの画面が変わり、テキストメッセージが投稿可能になった。投稿してみると、少したって壁面に自分が書いたテキストが投影された。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた、人々の様々な想いが次々に投影されていく。

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しばらく映像が流れた後は、イベントブースに選手が登場。ブースにいる選手の様子が、壁面にもリアルタイムで投影された。さらには、手元のスマートフォンからは、選手を応援する絵文字が投稿でき、NTTドコモ 代々木ビルの壁面は投影された選手を応援する絵文字によって埋め尽くされた。

選手が登場する演出が終了した後には、ブース上に一般人を招いたインスタレーション。ブース内の特定エリアに立つと、本人を上空よりズームした演出などが代々木ビルに投影された。

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予め用意された映像の投影ではなく、ライブ感のある表現が見慣れた街の風景に大きく投影される様子には、不思議な感覚を覚える。普段と違うビルの様子に、思わず足を止めて見入る人々もいた。

このイベントの裏側を支えたのは、人の移動を感知、把握し、混雑予想をする人流解析技術だ。混雑が予想される大規模なイベント時などに、ドコモの人口統計情報を用いて人がどう分布しているかの把握ができ、NTTの学習型誘導技術と合わせることによりスムーズな移動を促すことが可能になる。大規模なイベントであっても、快適に過ごせるようにするための技術開発もドコモはミッションとしており、NTTと協力してさらなる技術革新を目指している。

「Kirari!」と「5G」の組み合わせで新体感プロジェクションマッピングが実現

未来のプロジェクションマッピングの体感の提供を目指した 「YOYOGI CANDLE 2020」では、イマーシブテレプレゼンス技術「Kirari!」や次世代通信技術「5G」が活用された。

NTTが研究開発を進めている「Kirari!」は、競技空間をまるごとリアルタイムに伝送し、臨場感の高いスポーツ観戦体験を提供する技術だ。

今回のプロジェクションマッピングでは、「Kirari!」の要素技術の1つである任意背景のリアルタイム被写体抽出技術が活躍した。同技術は、グリーンバック等を使わずにリアルタイムで被写体を抽出することが可能な画像処理技術。今回のように、屋外で被写体抽出をするのにうってつけだ。

「YOYOGI CANDLE 2020」では、会場に設置された特設ステージ上で選手が行った演武を投影。演舞の様子を抽出し、リアルタイムにビルへと投影するためには、被写体の抽出技術に加えて、伝送のための技術も必要になる。

そこで活躍したのが、高速・大容量通信、低遅延、多数端末接続といった特長を持つ「5G」だ。「YOYOGI CANDLE 2020」でビルに投影された演者がいた場所は、ホテル前のイベント会場。代々木ビルまでは数多くの線路群をまたぐ必要があったため、5Gの活用で無線化して伝送が行われた。

「Kirari!」と「5G」の組み合わせにより、「新体感プロジェクションマッピング」は実現した。技術の進歩は私たちの常識を塗り替えていく。スポーツ観戦という慣れ親しんだ体験も、2020年には新たなものになっているかもしれない。

Text : Junya Mori