世界中の通信事業者や世界主要ベンダーが5Gに取組み、5Gを活用した新たなサービスやアプリケーションなどのユースケースが生まれ始めている。5Gは、私たちの未来をどう変えていくのか。少しずつ、その輪郭がはっきりしてきた。

この5月、ドコモは東京各所で5Gに関するさまざまな取組みをスタート。5月22日、東京スカイツリーで始動した5Gトライアルサイトをはじめ、5月24日の新サービス・新商品発表会での5Gがもたらす未来を感じさせるパフォーマンス、同日からスタートした「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」の特設パビリオン「5G Tokyo Bay Summit® 2017」など、各所で5Gの未来と今が伝えられた。

5Gによって生まれる社会の変化を表現

2017年4月27日、NTTドコモ代表取締役社長の吉澤和弘は、2020年までの中期戦略「beyond宣言」を発表。顧客に期待を超える驚きと感動を提供し、ビジネスパートナーとともに新しい価値創造を実現し続けることを宣言した。

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1か月後の2017年5月24日、ドコモが毎年行っている新サービス・新商品発表会では、「Challenge to 5G」と題した5Gに関する挑戦を発表。来る5G時代にドコモは何を実現しようとしているのかを、ライブパフォーマンスという形で表現した。

吉澤「ライブパフォーマンスでは、5Gがもたらす新しい体験を表現しました。高速・大容量、低遅延、多数端末接続といった5G技術の特徴により、時間や場所を制限されずに誰もが楽しめるようにしていきます」

5Gの未来像とあわせて、実現に向けた取組みも発表した。具体的には、2020年の5G商用サービス開始に向け、パートナー企業と共にどのような体験・サービスを5Gと融合できるかを検証する「5Gトライアルサイト」をスタートしたことに言及。アライアンスを組むパートナー企業は続々と増えており、その一部を紹介した。

各パートナー企業と進む5Gの取組み

5Gに関する各パートナー企業との取組みは、5月24日〜26日に東京ビッグサイトで開催された「5G Tokyo Bay Summit 2017」でもお披露目した。会場には、5Gの無線伝送に必要な機材を搭載した大型のデモ用車両を用意し、さまざまなデモンストレーションを行った。

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東京スカイツリー® で行われた実証実験では、地上350mの天望デッキに高精細なカメラを6台設置し、5Gによる伝送で4Kライブ映像配信を行い、天望デッキからの眺めを地上でも観賞可能にした。期間中は、東京ソラマチ®1階のイベントスペースで映像が鑑賞可能になったほか、「5G Tokyo Bay Summit 2017」の会場にもライブ映像を配信した。

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デモ用車両の隣には、フジテレビとともに取組んでいる新体感コンテンツ「ジオスタ」を設置した。ジオスタは、ARとジオラマを使った新しい形態のスポーツ観戦などを想定したサービスだ。

たとえば、試合会場で選手の動きをキャプチャしておき、離れた場所に設置されたジオラマの競技場に5Gで伝送。ARで選手を合成することで、スマートフォンやホロレンズなどのディスプレイを通じて、現地とはまた違った視点や距離感で試合を楽しむことができる。

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会場のデモでは、ゴルフの試合を映し出していた。スマートフォンを通してジオラマを見ると、ARで合成されたゴルフプレイヤーが、実際のプレイヤーの動きに合わせて投影される。プレイの合間ではスコアなどもARで表示される。新たな表現技術として、また違ったスポーツの楽しみ方が生まれそうだ。

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コマツとの取組みも注目を集めた。コマツとドコモは5Gを用いた、建設・鉱山機械遠隔制御システムの開発に向けた実証実験を開始しており、その取組みを展示した。

東京ビッグサイトと千葉市美浜区にある実験エリアを5GとWi-Fiでつなぎ、遠隔操作のデモンストレーションを実施。5Gの特長である高速通信を活かした高精細な映像伝搬により現場の細かな状況把握を行い、低遅延を利用したオペレータによる高精度な操縦が可能であることを来場者に伝えた。

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新日鉄住金ソリューションズとは、グローブをはめると手の動きに合わせて、離れた場所のロボットハンドがリアルタイムで動く「テレイグジスタンス」技術のデモンストレーションを行った。この技術が発展し、5Gの高速通信と低遅延を利用すれば、工場など危険が伴う場所での作業を、現地の状況を映像で把握しながら遠隔地からロボットハンドを操作して作業することが可能になる。

5G時代に向けた取組みは2020年に向けて加速

「5G Tokyo Bay Summit 2017」では、この先ドコモがリードして行っていく予定の5Gトライアルサイトのさまざまな取組みを紹介した。私たちは、まだ5G時代の入り口に立ったばかり。ユーザーに5G時代をより具体的にイメージしてもらうためには、高速・大容量通信、低遅延、多数端末接続といった5Gの特長を活かすサービスをパートナー企業と開発していくことが不可欠だ。ドコモはこれから先、さまざまな取組みを仕掛けていく。

いよいよスタートした5Gトライアルサイトが、人々に5Gがもたらす未来を体験可能にしていく。吉澤は、新サービス・新商品発表会で5Gのこれからについての意気込みをこう語った。 

吉澤「2020年に向けて、そしてその先の未来における新しい通信インフラとして、5Gは重要な役割を担います。NTTドコモは、今後もさらに5Gの取組みを加速させ、その取組みを随時報告していきます」

Photos : Tadayuki Uemura
Text : Junya Mori

※「東京スカイツリー」は、東武鉄道株式会社、東武タワースカイツリー株式会社の登録商標です。

※「東京ソラマチ」は、東武鉄道株式会社の登録商標です。

※「5G Tokyo Bay Summit」およびロゴは、株式会社NTTドコモの登録商標です。