2010年時点の4G(LTE)と比較し100倍の高速化、1000倍の大容量化が期待される5Gは、膨大なデータ量が想定される2020年代に向け非常に重要となる技術だ。

通信環境を飛躍的に向上させる次世代の通信システムは私たちの生活にどう影響を与えるのか。そして、現状ではどのような取組みが行われているのか。本記事では「DOCOMO R&D Open House 2016」の講演やブースで語られた、5Gの”いま”を紹介していく。
* 文中 敬称略

“5Gの現在地”

「DOCOMO R&D Open House 2016」のスタートでは、取締役常務執行役員 R&Dイノベーション本部長の尾上が、「ドコモR&Dが拓く、未来の世界」をテーマに講演を行った。

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現在ドコモは5Gの規格標準化に向け、精力的に活動を行っている。尾上からは、「規格標準化においては、ドコモが推進する規格を中心に動きが進んでいる。日本には有利な状況にある」と5Gを取り巻く状況が前向きに変化していることが語られた。

ドコモが5Gの取組みを発表した当初は、2020年までに商用化をめざしていたのは日本・韓国のみだった。しかし、米国や中国、欧州などの主要国も次々と2020年までに商用化をめざすことを発表。現在、2018年には標準規格が策定される可能性が見えてくるなど、全体的に前倒しで動いているという。

「5Gはいまや通信業界の枠を超えて期待が膨らんでおり、新たなコラボレーションやビジネスの機会を探る動きが広がってきている」と尾上が語るように、5Gへの期待度と注目度は非常に高い。世界の期待を背負い5Gの商用化に向けて動いていく中、「ドコモは先導役として世界を巻き込んでいきたい」と尾上は語った。

“5Gがもたらすビジネスの可能性”

着実に近づく5Gの導入にむけ、ビジネスサイドではどのような動きが進むのだろうか。私たちの生活に直結するものから、目に見えない領域まで、ありとあらゆるところに広がるネットワークは私たちの生活に大きな変化を及ぼす可能性を十分に秘めている。

冒頭でも触れたように、IoTなどによる接続端末数の急激な増加や、端末ごとのデータ量の増大により、2020年代では2010年に比べて1000倍の爆発的なデータ量の増大が予測されている。また、IoTやAI をはじめとしたさまざまなテクノロジーに対応するため、より高速な通信の実現も急務だ。

こういった背景に対し、5Gでは「高速大容量・超多数端末・超高信頼低遅延」という3つの特長をベースに商用化に向けて動いているという。

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